ここ最近流行りの『炭水化物ダイエット』『糖質オフダイエット』・・・。
この炭水化物の摂取量を制限して痩せる方法は数多く紹介されています。
今現在も実施している人も多いのではないでしょうか?
『炭水化物のお米やパスタなどは、食べると太るから抜けば痩せるのに効果的!』
『炭水化物=太る』
世間ではこんな言葉が使われていますが、炭水化物をできるだけ少なく摂取する『炭水化物ダイエット』が、本当に痩せるために効果的なのかどうかと言うことは、最新の研究でも解明されていません。
しかし、その一方で「炭水化物を抜けば痩せる」と言われているのも現実ですし、確かにそれを実践して痩せた方もたくさんいます。
なので、正解ではないかも知れませんが、間違っていないのも事実です。
でも、その痩せた方たちが、今でも体重をキープできているか、リバウンドしていないか、相変わらず炭水化物を食べていないかと言うことになると話は変わってくると思います。
実際に、ご自身やあなたの周りで炭水化物ダイエットを実施した方は、一時は痩せてもリバウンドしていたりしていませんか?
今回はそんな『炭水化物ダイエット』についてのお話です。
炭水化物抜きダイエットって本当に痩せる?
先にも述べましたが、炭水化物をできるだけ少なく摂取することでダイエットの効果が高くなり、痩せることにつながるということは科学的には証明されていません。
なぜかというと、今分かっているのは『炭水化物ダイエット』で痩せたという人のほとんどが、炭水化物の摂取量を少なくしたことが直接的な痩せた要因ではなく、炭水化物の摂取量を少なくしたことにより、総摂取カロリーが減っていたから痩せたということなんです。
なんだか、この答えに頷けますよね。
炭水化物ってなに?
炭水化物とは、食物繊維と糖質から出来ていて、三大栄養素と言われるくらい重要な栄養素です。
体内での1番の大きな働きは、エネルギー源になることです。
このことからも、日本の食生活指針では炭水化物が多く含まれる食品が主食とされています。
余剰分(多く摂取しすぎた分)は中性脂肪に変えられ、体内に蓄積されますが、不足すると思考力や集中力の低下や低血糖症、疲れやすくなるなどの症状が現れやすくなります。
また、脳の唯一のエネルギー源が炭水化物なのです。体内でブドウ糖に分解され、脳のエネルギーとなります。
どの糖質がいいの?
『糖質制限』や『糖質オフ』などという言葉は、かなり多く使われていますよね!
糖質というのは、先ほど述べた逆で、炭水化物から食物繊維を取り除いたものが糖質です。
つまり、水分やアルコール、脂質、タンパク質、食物繊維、ミネラルに分類されないもの全てを指します。
単に糖質と言っても、砂糖を代表するように、果糖、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、デキストリンなどたくさんあります。
要は、糖質すべてがダメなのではなく、摂取する糖質の種類とタイミングに問題があるということです。
中でも、注目するのは『ブドウ糖』と『デキストリン』です。
ブドウ糖ってなに?
みなさんの1度は聞いたことがあるかと思います。
『ブドウ糖』は、米、パン、麺類、はちみつ、ごぼう、いも、ぶどう、バナナなど穀物や果物に多く含まれている単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)の一種です。
別名をグルコースといい、筋肉を正常に動かしたり、血糖値を保ったり、臓器のエネルギーとしても使われます。
そして、脳を正常に働かせるには、最も『ブドウ糖』が大切な役割を持っています。
脳は血液中の栄養素の中から、脳関門と言われるところで厳しいチェックを行ない、ブドウ糖のみをエネルギー栄養素として通します。
つまり脳の活動を維持する為に、ブドウ糖は絶対に欠かせない唯一のエネルギー栄養素なのです。
デキストリンってなに?
これは、聞きなれない言葉かも知れません。
簡単に説明するとデキストリンとは、『でんぷん』です。
当然『でんぷん』ですから、炭水化物で糖質も多く含まれています。
実は、日常で口にするも物の中にはかなりいろいろなものに含まれています。
糖質も含まれていることから甘味も感じるため、ジュース、ガムなど甘味料として含まれています。
スポーツドリンクや、コーラなどの炭酸類など多く見かけます。
そして、ここで注目するのは実はデキストリンでも『難消化性デキストリン』です。
ここまでくると、もう、始めて聞いたという人もいるのではないでしょうか?
これは読んで字の如くですが、消化が難しいデキストリンということです。
元は、トウモロコシのでんぷんから作られているもので、そのでんぷんを分解して難消化性成分のみを取り出したものです。
そうです、簡単な話が『食物繊維』です。
人工的に作られた物質で、特定保健用食品として厚生労働省から許可されている、いわゆる『トクホ』です。
この『難消化性デキストリン』は、糖質・脂質の吸収スピードを緩める働きや内臓脂肪を低下させる働き、腸の調子を整える働きがあります。
基本的には、食物繊維なので、食物繊維が持つ本来の働きということになります。
デキストリンとは違い、こちらは糖質が含まれない食物繊維なので甘味を感じることはありません。
筋トレと炭水化物
この『炭水化物ダイエット』を実践している人が効果を高めようと筋トレしたとします。
これも結果として痩せにくいということになります。
まず、空腹の状態で筋トレを行っても、筋肉が増えるどころか減ってしまうからです。
炭水化物は三大栄養素とも呼ばれるくらい、カラダの大きなエネルギー源です。
このエネルギー不足の状況では、エネルギーの代わりに筋肉を分解してエネルギーとして使用します。
もちろん筋肉が減少すると、基礎代謝は落ちます。
基礎代謝が落ちると体脂肪は増えやすくなる傾向になります。
そして、もうひとつ、筋トレに大切な『成長ホルモン』。
これは、脳の直下にある脳下垂体で作られ、分泌されます。
先程も述べたましたが、脳にはブドウ糖が必要です。
ということは、炭水化物を摂取せずブドウ糖が不足するとこの成長ホルモンも作られにくくなり筋トレ効果も薄くなります。
これでは本末転倒です。
痩せるためと言いながら、実はカラダには逆効果のことばかりやっているのです。
効果的な筋トレに必要な食べ物は実は『炭水化物』なのです。
ささみなどに代表されるように筋トレには、「たんぱく質」と思われがちですが、たんぱく質は炭水化物がなければ筋肉と合成することが出来ません。なので、もちろん「たんぱく質」も重要です。
筋トレ前に炭水化物を摂取することで、筋肉の中に炭水化物を蓄えます。
これが筋トレをする際のエネルギー源となります。
そして、筋トレ効果を高めるデキストリンとして、分解の進んだマルトデキストリンも。
では何を食べたらいいかという事ですよね。
筋トレ前には、麺類やおにぎり、サンドイッチといった軽食系のメニュー、ヨーグルト、豆乳、牛乳、バナナ、いも、果実や野菜100%のジュースなどがオススメです。
そして、筋トレ後に効果を高めるデキストリンとして、分解の進んだマルトデキストリンもオススメです。
もうみなさん、おわかりですよね?
過剰に糖質制限をして運動や筋トレをすると、逆に太りやすくなるだけで、筋トレの効果は得られにくいということです。
こちらにも詳しく書いてありますので、合わせてお読みください。