炭水化物ダイエット・糖質制限ダイエットについて

ダイエットや減量を始めようと思った時、誰もが一度は取り入れてみようと考えた経験があるのではないでしょうか?
また、実際にこの糖質制限でダイエットに成功した方もいるでしょう。

糖質とは、炭水化物の一つであり、糖質1gあたりで4kcalのエネルギーになるものです。
脂質であれば、1gで9kcalのエネルギーになるのに対して、糖質はその2分の1以下です。
その糖質の一番の役割は、脳にとって唯一のエネルギー源となることです。

また、ブドウ糖はある一定量であれば、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、必要に応じてすぐにブドウ糖としてエネルギーに変換されるという即効性があることも特徴です。
糖質の主な摂取源となる食材は、ご飯や麺・パンなどの、いわゆる主食に分類されるものが挙げられます。

この糖質制限を行うとどうなるのか?

まず、おさえるべきポイントは、体重(体脂肪)を1kg減らす為には7.000kcalのコントロールが必要であるということ。
つまり、1ヶ月で1kg減らしたいという場合は、7.000kcalを30日で割った約233kcalを、毎日食事で減らすか消費しなければならないという計算になります。

この233kcalを糖質制限のみでコントロールしようとした場合、先で述べたように主食にあたるご飯や麺・パンを制限することになります。
ご飯なら150g(女性の茶碗1杯くらい)で250kcalなので、1日3食このぐらいのご飯を食べている人であれば、どこか1食だけご飯を食べなければ1ヶ月で1kgは減るという計算です。

ダイエット2
この程度の制限であれば、身体への負担も少なく、食事制限によるストレスも感じ難いですね。
また、もし3食のうちどこか1食のご飯(白飯)を抜くのであれば、夕飯がお勧めです。

日中は交感神経(心身を興奮させる神経)が優位に働いているので、食事で摂ったカロリーは消費に回りやすいのに対し、夕方以降は副交感神経(心身を休める神経)が働き出す為、摂ったカロリーが消費し難いと言われています。

また、先に述べたように、糖質は脳にとって唯一のエネルギー源となるものですので、朝食はその脳を動かす為の最初のスイッチとなります。
朝食で糖質制限をしてしまうと、脳にエネルギーが入らないので働きが鈍くなってしまい、集中力が欠けて仕事の効率などが悪くなることに繋がります。

更に、大体の人が夕飯では朝や昼に比べると食事量が多くなる傾向にあるので、夕飯での糖質制限はダイエットに有効という訳です。

糖質制限がもたらすものとは?

では、もっと体重を減らしたいと考えた人が、3食全てのご飯を食べない、という制限をした場合どうなるか。
まず結果として、体重が減るのは確実ですが、このように極端な糖質制限をした場合のデメリットがあります。

それは、糖質制限により不足したエネルギー量を補う為に、脂肪だけでなく筋肉もそのエネルギー源として削ぎ落としてしまう、ということです。
これは、糖新生反応と言われる働きで、つまりは生命維持に必要なエネルギーを確保する為の一つの回路です。

『筋肉はたんぱく質だから、糖質にはならないじゃないか』と思われるかと思いますが、筋肉を構成するたんぱく質はアミノ酸の集合体であり、このアミノ酸の中でも糖原生アミノ酸はエネルギー源となるグルコース(糖)の原料になるのです。

更には、糖質制限により糖新生反応が進んで筋肉が減少すれば、基礎代謝も下がってしまうので、痩せにくい身体となってしまいます。
また、筋肉量が減ることで、その筋肉に蓄えられているグリコーゲンの量も減少してしまい、すぐにエネルギーとして使える原料が少ないことから疲れやすかったり、体力が落ちたなと感じてしまいます。

糖質は脳にとって唯一のエネルギー源ですから、思考能力の低下や、頭痛が起こる可能性もあります。

ダイエット1
健康のために・より良い生活を送るために「ダイエット」をするのに、不健康になっては意味がありません。

このように、糖質制限はその制限の程度により、ダイエットの成功だけでなく身体の体質や体力など様々なことに関連してきます。
ダイエット成功の大きなカギは、いかに選択した方法を習慣化できるか、今までの生活を見直すことができるかですから、糖質制限としてダイエットをしようと考えている方は、『制限』というよりも『量のコントロール』『量を控える』と捉えてチャレンジしてみて下さい。