アスリートの中でも浸透しつつある「筋トレ」は、もろ刃の剣のようになってしまうこともあります。
前回は、「動作」についての違いを投稿させてもらいました。
今回は、「力」の出し方です。

筋力が高いほど、スポーツに活かされやすい?

アスリートの筋トレは、非常に高重量を扱うことが多く、一般人の方では考えられない重さを担いだり、持ってトレーニングします。

「〇〇選手は、ベンチプレスを120㎏でやるそうですよ・・・」「〇〇選手はスクワットを180㎏でやるそうですよ・・・」

スポーツ中継の解説者から、そのような声も聞こえてきます。
さすがにその重さを聞いて、「凄い!」と思わざるを得ません。

筋トレの中では、アスリートの基準として、パラレルスクワットは自分の体重の2.0倍の「基礎筋力」が必要と言われています。

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これは、意外と厳しい数字で、筋トレを勧めているトレーナーの中でも、自重の2.0倍のパラレルスクワットがしっかりと出来る方は、なかなかいないと思います。
スポーツ動作では、その競技にもよりますが、関節や筋肉へのストレスは非常に高いので、強靭な骨格と関節と筋肉が備わっていなければ、良いパフォーマンスを発揮できないとも言えます。

筋力レベルが低い人が何故、ボールを遠くに飛ばせるのか?

実業団の女子のソフトボールチームを担当していた時のことです。
チームの中で、筋力レベルは最下位レベルの選手が、チームトップのホームラン数を打ちました。

その原因には、「スキル:技術(バットコントロール・経験・予測・視野など)」がありますが、「打ったボールと遠くに飛ばす」には、最低でも筋力が必要です。

「力」の出し方が上手なのです

自分たちの仲間の中でも、「筋トレ」している人ほど、スポーツのパフォーマンスが落ちている人が多く、自分の能力を活かし切れていない人が多いです。
「力」の出し方は、筋トレのように、動作のスタートから目いっぱい「力」を入れて、その状態を動作の最後まで保つことをすると、明らかにスピードが落ちます。というより、動作に「スムーズ・滑らかさ」が失われていきます。

イメージしてみてください。幼稚園・保育園間もない小さな子供たちが、ボールを投げるところを・・・。
どこにボールが行くかわかりません(笑)

大人だったら、ある程度うまく相手にキャッチボールできますよね?
子供たちは、力をどのように、どのタイミングで入れたらよいのか、分からないために目いっぱい投げる訳です。
大人は、その人の経験から力をどのように出すか、どのタイミングで指に力を入れるか、分かる訳です。

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実際のスポーツ動作のほとんどは、動作のスタートでは、力を入れていません。楽な感じで動き出しをしています。
力を入れるタイミングは、ほんの一瞬です。
その「ほんの一瞬」に最大限集中し、自分の持っている「力」を出せるかどうか?が、スポーツ動作ではパフォーマンスの決め手になります。
動作のスタートは、「力」は抜き、一瞬だけ「力」を出すから、「スムーズ・滑らかさ」が出てきます。

実はそこも、筋トレの範囲です。
能力の高いカラダを作るためには、「力の出し方」をトレーニングすることも重要です。