ダイエットや体系維持に敏感な方は、「油」と聞くとものすごく悪のあるようなイメージですよね。
実際、揚げ物を抑えたり、油っこい食べ物を避けたりしますよね。
そんな捉えがちな油ですが、熱の発散を防いで体温を保ったり、太陽の光を利用してビタミンDを合成したり、脂溶性のビタミンA・D・E・Kなどの吸収を助けたりします。
油(=脂質)は、摂取の方法で結果が分かれると言っても過言ではないでしょう。
今回は、この脂質と有酸素運動についてのお話です。

脂質の種類は?

脂肪には大きく分けて『飽和脂肪酸』と『不飽和脂肪酸』の2つがあります。
炭素の数と、炭素と炭素の結びつきに分子構造があるかどうかで分類されています。
この2つについてみていきましょう

 飽和脂肪酸とは?

飽和脂肪酸は、牛肉や豚肉、乳製品など動物性の脂肪に多く含まれています。
エネルギー源や細胞膜の材料となりますが、過剰に摂ると中性脂肪やコレステロールを増やし、肥満や脂質異常症などを引き起こします。
また、飽和脂肪酸は溶ける温度(融点)が高く室温では固体の状態です。
牛脂などを想像して頂けると分かりやすいですね。
体内では体温が約40℃になると溶けて、エネルギーに変わります。

 不飽和脂肪酸とは?

べにばなやコーン、オリーブ、亜麻仁など植物性の脂肪に多く含まれています。
エネルギー源や細胞膜の材料となるほか、炎症を起こしたり血液を固めたりといった、体のしくみに働く生理活性物質の材料となります。
摂りすぎは、こちらも肥満や脂質異常症などの原因となりますが、適量なら余分な中性脂肪やコレステロールを下げるという有効な働きもします。
不飽和脂肪酸は、低い温度でも溶け、10~20℃程度の室温では液体の状態です。
植物性油脂(サラダ油など)が室温で液体なのは、不飽和脂肪酸が多いからです。
よって体内に入ってもすぐにエネルギーに変わります。

マグロのトロやサーモンなどは、融点の低い『不飽和脂肪酸』を多く含むので、生さしみで食べても口溶けがよく旨みとして感じられるのです。

そして、『不飽和脂肪酸』は化学構造の違いから、「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」とさらに細かく分類されます。
今話題の「オメガ3」はこの『不飽和脂肪酸』です。

脂肪を燃焼させようとする時に考えなければならないこの『飽和脂肪酸』と『不飽和脂肪酸』。
この2つの融点の違いを考えなければなりません。
このことからも脂質(=脂肪)を燃焼させるためには『有酸素運動』が大切になることがわかります。