サプリメント、今ではテレビや雑誌、新聞などで見かけないことはないくらい、色々なものがありますね。
サプリメントで必要な栄養素を摂れば、食事でのバランスなどは気を付けなくても良いのか、食事よりサプリメントで摂った方が効率良く栄養素を摂れるのではないか、という点についてここで触れてみたいと思います。
サプリメント=栄養機能食品
まず、ここでお話しする定義として、『サプリメント=栄養機能食品』として考えてほしいのですが、栄養機能食品とは何かです。
厚生労働省による『栄養機能食品』は、ビタミンやミネラルの補給のために利用されるものであり、その栄養素の機能や、1日の摂取目安量に対してどのぐらいを補うことができるのかを表示することが定められています。
ここで、きちんと理解していてほしい点は、記載内容に『食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。』という一文があるということです。
つまり、『栄養機能食品』はあくまでバランスを考えた食事の補助的な役割であることを意味しています。
そのような意味を持つ理由の一つとして、例えばビタミンであれば水に溶けやすい水溶性のものと、油脂に溶けやすい不溶性のものがあるように、摂取する際に組み合わせた方が体内への吸収が良くなる場合や悪くなる場合があるということです。
不溶性のビタミン(ビタミンA、D、E、K→DAKE「だけ」と覚えましょう)のサプリメントを、食事を摂らずに服用した場合には、本来なら溶けやすい油脂を食事から摂れていない為に身体に吸収しにくくなってしまうことになります。
ビタミンの他にも、鉄分であればビタミンCと一緒に摂った方が吸収しやすいことや、塩分(ナトリウム)と一緒にカリウムを摂ることでナトリウムの体外への排出を促進してくれることなどのように、栄養素それぞれにも相性があるのでサプリメントとして単独で摂る場合だと吸収の効率が悪くなってしまう場合があるのです。
このことから、サプリメントを食事のかわりとして単独で摂るのは避けた方が良いと言えるでしょう。
食事による摂取
一方で、咀嚼して摂る食事は、消化の働きにより胃や小腸などの消化器官を動かすことで、代謝が上がるというメリットもあります。
これを、『食事誘発性熱産生』と言いますが、食事は単にカロリーを摂っているだけでなく、食事の消化作用によりエネルギー消費もしているということです。
この『食事誘発性熱産生』は、1日の基礎代謝の1割を占めるとも言われていることからも、とても重要な役割を担っています。
サプリメントで栄養素を補給しているからと、食事をしない場合には、食事をしている場合よりもエネルギー消費が低下してしまい基礎代謝が下がることに繋がってしまいます。
このように、栄養素それぞれが体内への吸収される際には相互作用が生じていること、そして咀嚼や消化にもエネルギーを消費していることなどを踏まえ、サプリメント(栄養機能食品)は食事の補助的なものとしてうまく利用していきましょう。