今週より連続企画として『成長ホルモン』について取り上げていきます。

今日のコラムのテーマは『成長ホルモン①~成長ホルモンとは?~』です。
この『成長ホルモン』は『若返りホルモン』とも呼ばれ、運動をしている方なら1度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか?

今回はこの『成長ホルモン』について書いていきたいと思います。

『成長ホルモン』とは・・・

人間には体内に100種以上の『ホルモン』があると言われ、それぞれが決まった役割を果たすことで、私たちのカラダは正常に保たれているのです。
この『成長ホルモン』も、体の中でつくられている『ホルモン』の1つです。
大きな成分は、タンパク質を元とするアミノ酸で、別名『水溶性ホルモン』とも呼ばれています。

では、この『成長ホルモン』がどこで作られているかというと・・・
脳にある『脳下垂体』というところにある前葉から分泌され、肝臓に働いて血液中に放出させます。

『成長』という名前がついていますが、このホルモンの働きは『成長』に関わる以外にもカラダの構成を調整したり、代謝調整や免疫機能に関わる役目をしている重要なホルモンです。

この『成長ホルモン』は生涯止まることなく分泌されています(疾患以外)が、小児期に多く分泌され、思春期にピークを迎え、年齢の増加とともに分泌量が減少していきます。

当然、年齢とともにこの『成長ホルモン』の役割は変化し、
・小児期
骨を成長、発達させる
筋肉を成長、発達させる
各器官を成長、発達させる

・思春期
上記に加え、(性ホルモンとともに)性的な成長、発達をさせる
※性ホルモン
思春期に多く分泌される性ホルモンは、『成長ホルモン』や『甲状腺ホルモン』同様、タンパク質の合成を促進します。『成長ホルモン』や『甲状腺ホルモン』がタンパク質やアミノ酸がつながったペプチドであるのに対し、性ホルモンはコレステロールからつくられるステロイドホルモンの一種です。

・成人期
カラダの代謝バランスを保つ
筋肉量、骨の量を保ち、脂肪組織への代謝、糖代謝を促す
精神的な健康状態を保つ

というように各年齢にあわせた働きをしています。

なぜ『成長ホルモン』が必要なのか?

前にも書きましたが、『成長ホルモン』は、年齢増加とともに減少はするものの一生涯分泌されます。
しかし、何らかの原因で『成長ホルモン』の分泌が不足している状態を『成長ホルモン分泌不全』といいます。

この『成長ホルモン分泌不全』になると、心身ともにさまざまな症状があらわれます。
子供では『成長ホルモン分泌不全性低身長症』という病気で、成長ホルモン不足による骨の成長を妨げ身長が伸びず、低身長になるという病気です。

一方、成人では『成人成長ホルモン分泌不全症』という名前で生活習慣病に近い症状がカラダの異常として現れます。
筋肉量の減少、骨の量の減少、悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの減少、中性脂肪の増加、体脂肪の増加、脳梗塞などの脳血管障害や狭心症などの心血管障害へのリスク増加・・・

あげていくとキリがありません。

年齢の増加とともに分泌量が減っていく中で、筋トレを通じて活性化し、少しでも多くの『成長ホルモン』を分泌させることが筋トレ効果だけでなく、健康に過ごすコツの1つにもなります。

次週は『成長ホルモンと睡眠』について取り上げていきたいと思いますので、お楽しみに♪